指揮/キリアン・ファレル
ヴァイオリン/ベンジャミン・バイルマン
キリアン・ファレル Killian FARRELL(指揮者)
ドイツの歌劇場で伝統的なカペルマイスターの道を歩み、ブレーメン劇場でキャリアをスタートさせ、そこで第一カペルマイスターを務めた。ブレーメン時代には、新演出の『魔笛』やヴォルフガング・リームの『ヤコブ・レンツ』の他、『ばらの騎士』、『ムツェンスク郡のマクベス夫人』、『アルチーナ』、『ルサルカ』、『フィデリオ』など、バロックから現代まで幅広いレパートリーを指揮した。最近では、ベルリン・コーミッシェ・オーパー、アムステルダム国立歌劇場、ハイデルベルク劇場などのオペラハウスでの公演や、アルスター管弦楽団、アイルランド国立交響楽団、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団アカデミー、ブレーメン・フィルハーモニー管弦楽団などのコンサートにも出演している。
photo: © Andrew Bogard
ベンジャミン・バイルマン Benjamin BEILMAN(ヴァイオリン)
マリナー、ネゼ=セガン、シャニ、カネラキスらの指揮のもと、シカゴ響、フィラデルフィア管、ロンドン・フィル、フランクフルト放送響などと共演。ベルリン・フィルハーモニーやアムステルダムのコンセルトヘボウ、ウィグモアホールといった檜舞台でリサイタルを行い、またエクサンプロヴァンスやヴェルビエなどの著名音楽祭に出演している。近年は現代音楽への関りも深い。
ワーナークラシックスにレコ―ディングを行い、2016年にストラヴィンスキー、ヤナーチェク、シューベルト、クライスラー作品を収録した『スペクトラム』をリリースした。
使用楽器は日本音楽財団保有の1740年製のグァルネリ・デル・ジェス「イザイ」。
グァルネリ・デル・ジェス1740年製ヴァイオリン「イザイ」
この楽器は、ベルギーを代表する世界的ヴァイオリン奏者で作曲家のウジェーヌ・イザイ(1858〜1931)が所有していたことからこの名前が付けられた。楽器の中には小さなラベルが貼られ、赤いインクで「このデル・ジェスは私の生涯を通じて忠実なパートナーだった。イザイ1928」とフランス語で書かれており、イザイの国葬の際には棺の前をクッションに載せられ行進した。その後、1965年に巨匠アイザック・スターン(1920〜2001)の所有となり、1998年に日本音楽財団がこの楽器をスターンから購入した後も、彼が生涯に渡り愛用した。
写真:©Sophie Zhai